思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

何かを放出したい。

何かを放出したい今日この頃。文字に起こしたい、そう思い立ってさくれっとのSSを書き始めたのが約一週間前。創作という行為の一端を心で感じ取った気がする。真に良いものを創るには心的作用が必要不可欠なんだと思い知った。そういう意味でその気持ちを放出し続けることができないわたしはやはりその手の職業には向いていないのだと思った。今でこそこんなわたしだけど中学から高校までは小説家になりたいと考えていた。勿論それだけでとは全く思っていなかったが。その時ずっと心に抱いていた願いがある。「文字で人を殺したい」ということ。いや、決してわたしが殺人願望があるとかそういうわけではない。まぁ、そう違うものではないというのは重々承知している。文字だけで人の心に人生を変えるようなことができたら、どれだけ素晴らしいだろうということだ。……正直言葉選びにミスった感は否めない。でも後悔はしていない。なぜなら言葉選びにミスったというのは飽く迄世間体的な意味合いであって、わたしの美的センス的に言えば今でも通用する。「それはつまり中学時代から何も成長していないということでは?」とかいうツッコミは無しでお願い。で、どうしてこの話題を振ったかというと、最近しつこいようだけどさくれっとが刺さりすぎたから。冗談めかして言ってるけど実際のところかなりへこんでたし、気持ちが本当に鬱だった。別れの物語だって最初からわかってた。でもそういうことじゃない。感情を大きく揺さぶる物語を描くにはどういう展開か、じゃなくてどう想いを積み重ねるか、なんだね。

それはさておき、文字で人を殺すということ。それはつまり文字にそれ相応の重みが必要。無論ただの中高生がそんな大層な文章を書ける筈もない。というか今回の件でその一端を感じたってだけだからこの時はもうひよっこも同然。じゃあ今書けるのかって聞かれたらそりゃあね、無理。今回わたしが感じたのはとりあえず創作するということの原点たり得る何か。さっき心的要因が必要不可欠だって言ったこと。強い願いが良い物語へとつなげるのだなぁと。

どういうことが起こったかというと、さくれっとのラストで所長と別れたわけで、それでも司と所長は前を向いて生きていく。しかしその光景を眺めるわたしはまるで前を向けていないと。ここ最近の鬱状態は大体それに起因するわけだけど、まぁわたしは停滞を望んでしまったと。物語の展開が気に入らなかったとかそういうわけじゃないよ。寧ろあれ以上の締め方はないと思うしあそこで変な奇跡が起きたら当然のごとく叩く。叩くんだけど……心の奥底ではその展開を望んでた自分もいるわけで。でもそんなご都合主義はこの物語のすべてを否定することと同義で。それでも司と所長が共に人生を歩む世界を見たい。そして別れた後の二人の話も気になる。……自分で作ればよいのでは? たかがSS, されどSS。結局創作とは何か自分の‘‘思い‘‘を形にしたい、その気持ちが大切なんだなぁって思った。どんな感情でも変わらない。例えば今すごく悲しい。この気持ちをどうにか形にしたい。それで悲劇が生まれる。たったそれだけのことだったよ。つまりだ、読者に死にたいという思いを抱かせるには自らも死に直面しなくてはならないのでは? そう考えると歴史に名を残した文豪たちが何故あのようなものを描き得ていたか、が何となくだけどわかる気がする。更にだ、わたしは当時思い描いた文章で人を殺すという夢、どうやら当分は叶いそうにないね。というか叶ってほしくないまである。まぁ、お金を稼ぐ気はもうないという意味で筆は折ってしまったからどのみち叶うことはないけど。因みに公開しないのだったら趣味でちょくちょく書いてたりする。今回のさくれっとSS然り、公開はしない。自分一人で済ませるためのマスターベーションだから。

前にしたと思うんだ。冬茜トムに最近大きな影響を与えられたって。思想とか考え方とか、そういう大きな話じゃないけどね。まずアメイジング・グレイスがきっかけでTwitterを始めた。あまりに良い物語だったものだから語り合いたくて仕方なかった。で、さくれっと。喪失感がある程度収まってるとはいえ、今でもその気持ちは消えていない。だからこそSSなんて書いてるわけだしね。それで上記の通り、知識としてではなく、‘‘心‘‘で分かったってわけですよ。……文面にすると大したことないな。正直さくれっともずっと語っていたい。でもそれは駄目だよ。‘‘停滞‘‘だからね。これを心から受け入れたら終わりな気がするんだよね。物語から徐々に徐々に離れて行ってしまう気がする。世間体的に考えていいことなんだろうけど、物語を摂取しないという将来が自分に降りかかると考えるだけでとても寂しい気持ちになる。わたしは根本的に物語が必要な人間の筈だから。