思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

堕落論 〜お詫びと言い訳〜

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堕ちました。それはもうこの上なくしょうもない理由で、最も簡単にわたしの十年にも及ぶアンチソシャゲの牙城はたった一突きで崩れ落ちた。

契機は『ウマ娘』によるセイウンスカイの実装。わたしのトゥウィッタァを見てる人はわかると思うけど、見た目性格等いろいろストライク。まぁそうは言ってもソシャゲ、そんな一過性の強いものに課金なんかしていざサーヴィス終了って時に遊べなくなるのはばかばかしい。……と言ってた頃の自分、早く帰ってきてくれ! ”””堕ちた”””、それはそれは完膚なきまでに”””堕ちた”””。約二千円、10連一回分、課金した。日頃課金している人からすれば微々たるものかもしれないが、わたしにとってはあまりに大きな一歩。

……だけど、出なかったんだ。出なかったんだよセイウンスカイ……だからこの話はこれで終わりだ……。そうだよな、たった一度十連引いただけで今まで出なかったのが当たるなんてそんな虫のいい話があるわけがないよな。

一体何してんだろう。どうして課金なんてしたんだ。因みに天井まではまだ遠い。そこまで課金する気はさらさらない。というのも、別に結局ゲームだし、もともと無料でというのもむず痒いから相応の金額分なら別に課金はしてもいいとは思ってた。それがまぁ大体ロープライス分の3000円ということ(今回は2000円だけど)。

でもなぁ、流石にこのゲームに対して、7000とか、10000とか、出す気にはなれない、つまるところそれはわたしの中でその値段のゲームと同等の価値があると思ってるのと同じなわけで、無論そんなこと思ってるわけなくて、だから課金はこれで終わりだ。

実際これが異常ってだけで他に好きそうなキャラが来てもこんなことにはならないと思う。セイウンスカイピックアップ中にもう一度課金するってことも多分ない。

そして最後にはなりますが、わたくし『堕落論』は一度も読んだことがない旨をここにお話しし、本記事を締めようと思います。

『恋愛×ロワイアル まり&汐音&蒼 ミニアフターストーリー』感想

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相変わらず面白かった。前回同様本編以上に狂気、というか日常ものでやることで狂気度が増すような展開が多い。なんかもう、他のヒロインにセッ……してることを何の躊躇もなく言うのは流石だね……。

まぁ今回一番楽しみにしてた蒼ちゃん、CGはえっちなのしかなかったけどすごい好きなのばっかだったのでよし。蒼ちゃんとのえっちシーンはとても良かったです……はい……。まりちゃんも相変わらずのアホさで絶妙な”””サブ”””ヒロインだった。本当にまりちゃんは”””サブ”””ヒロインとして優秀だなぁ。

……とこんな感じ。良かった点、不満点、これらは基本的に前作同様。尺がなー、もっとあればなー。セッ……が3回は妥当な回数だと思うけど、如何せん本編短いせいで圧迫されてると感じちゃうのはね。

 

 

 

 

さて、前置きはこれくらいにして、本作は””純愛””という言葉についての問題提起がなされていた。

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「果たして二股は””純愛””に相当するのだろうか」

「ふーん? それでそんなふたりと二股かけてるヒロくんはいったいどういうつもりなのかな?」

「これは二股などではなく、純愛だよ。それを認めてくれない社会が悪いんだ。僕は悪くない」

二股とは「悪」なのだろうか。ここでは二股であることを否定し、飽く迄””純愛””であることを主張している。つまり少なくとも登場人物の中では二股=「悪」という認識が固いのだろう。だが、それなら””純愛””でさえあるのなら、それは二股ではないのだろうか。もし仮にそうであるのなら、””純愛””とは、一体何なのであろう。””純愛””とは人の認識すらも捻じ曲げてしまうほどのものなのだろうか。

わからない────そう、分からない。ここまでの文章の多くが疑問形で終わっている。それは””純愛””というものがはなから何かわからないからだ。

何一つ確定していない、まさしく未知のナニカ。だがそれを人々は求め続け、しかし誰も手に入れることはない。まさしくそれは真理のようで、事実それは恋愛に於ける真理だった。

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愛の頂点に立ち、”””勝ち組”””である彼女ですら、この問題の解には辿り着いていない。人類永遠の命題である。

 

点数:59/100 文章:6・10 味:100円のブラックサンダー

『ハッピーライヴショウアップ!』感想

 

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はじめに

本作のライターである高山大河氏、言わずもがな知る人はまずいない。聞くところによれば今までもFAVORITEで少しお手伝いはしていたとのこと。しかし自身が全てを担当した作品は今回が初、つまるところ新人ライターである。

漆原雪人氏が実質的に次回作はないと思われるこの状況での登場は次代のFAVORITEを担うのではないかとも思えるが、それはまた別の話。彼は面白い話を書けるのか、そうではないのか、それに尽きる。

そうは言っても新人、過度な期待はしないと私は思っていた。無論才能ある者は新人であることを気にせず素晴らしいものを書き上げるのであろうが、それは事前にどう思っていたかなんて関係ないし、実際才能ある人物であったのならその時だ。

さて、この度FAVORITEファンの皆様におかれましては過去作でのロリ推しが圧倒的に減っていたと感じ、購入をためらったのではないかと存じます。しかしながら、その中で購入動機が性癖だけという方以外は、待ってはいただけないだろうか。確かに過去作と比べ、その圧倒的(個人差有り)なパワーこそないものの(そもそも比較するほどの類似点はないが)、高山大河氏作り上げた世界、またそこを生きる人々の心、そのどちらも申し分ない出来だった。というかロリキャラ普通にいます()

 

 

乾燥した部屋で完走した感想の間奏

全体として完成度はかなり高かった。要所要所で盛り上げ、そこに至る感情の構築は問題なくできていた。

ただ、そういった要所と、そうでない場面でやや面白さに差があった。ここでの面白さとは展開のことではなく、文章を読んでいて面白いかということである。共通前半、ソフィー√前半は多くが日常、及び準備パートであるが、正直退屈と感じた場面は少なくない。ただこれを責めているわけではなく、いや、これが後半で活かされなかったら責めていたが、本作に関してはよく活かしていたと感じたため、可能なら……程度の感情。

また各個別に関してどれも完成度は高め(√間にある程度の差は有り)。

カーレンティアが一番のお気に入り。彼女のはっちゃけ具合、可愛さ、それらをよく出せていた。「永遠に見ていたい」タイプのシナリオ。

クラリスはテンプレ展開ながらも丁寧な感情描写により特に悪いと感じさせることなく締めた。

ルーは正直なところ面倒だ……と感じ、ダレてしまったことが多い。

ペチカは予想以上に良い出来だった。前述の感情描写の緻密さがこちらでも発揮されていた。

そしてソフィー、彼女の√が今作のTRUEEND的な立ち回りだろう。

そろそろ終わりか? と思いきや第三部が始まり、そこからもかなり長い。因みに第三部は感情描写についての準備パートなのでやや退屈。しかし繰り返しになるがその退屈な日常を各場面での見せ所に昇華させ、これまでの退屈な感情は消え去るだろう。

またこれとは別に、この√では他と違った特殊な部分があるため、シナリオが重ならない。私はソフィーを最後に(厳密には違うが)回したので、「今まで当たり前に享受していた日常」の喪失を感じた。これがまた良い。本作のテーマは「成長」だと思っていただけに、こういった友人関係の尊さを語られては涙腺が緩むというもの。まぁ、これについても結局は「成長」に繋がるのだが、それは既プレイの人のみわかることとして、言及は避けよう。

それで最後がミヤビ√。なわけだが、これは正直おまけというか、サーヴィスというか、そういった側面が強く感じるので、言及はしないというか必要ないかなと。

。。。っとまこんな感じです。

 

あと主人公について。はっきり言って不快な言動が多かった。なんというか、その場その場に於いてナンセンスな言葉を選ぶセンスだけはあった。その最たる例がこれ

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えーっと、多分わかる人はこれだけでわかると思うんですが、これはあまりに愚かしい。

その他無駄に「!」が多く、謎に大声を出しているように(実際出しているようだが)見えたり、どうにもその場に不適切な言動がやや多めに見受けられた。

緑茶式立ち絵運用法はやめろって言ってるだろ!!!

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さいごに

不満点はいくつかあるが、全体として見ればかなり良い。退屈な場面が多いと言ったが、それはご愛敬、『さくら、もゆ。』が大好きな私たちなら大丈夫だったよね!

まぁその他ライター以外の点については流石のFAVORITE、なんの心配もしてなかった。

高山大河さん、次回作(FD含め)楽しみにしてますね!!

 

 

点数:73/100 文章:5/10 味:隠し味に苦味、酸味も多め、けれど美味しい作品。

補助機材に命を狙われている

 ”物語は人生の補助機材だからね、一度つけると取り外すことは難しい”

物語に生き、物語に死ぬような人生はとても良いものだ。素晴らしい。わたしという存在に実に即していると思う。

一度その環境に順応してしまえばそれなしでは生きていくことは難しい。逆に取り外すことになれば、どんなに自分自身が望んだことであったとしても大いなる苦痛を伴うに違いない。なればこそ共存を望みましょう。されども物語、このお方は非常に狂暴、そう思えば温厚、狂人、それはトリックスターのように立場が不明確。恰も共存を拒否するかと思わせるほどに理解が遠い。

しかし仲間、仲間である。つまるところ我々は運命共同体であり、貴殿が死なばわたしも死のう。然れども貴殿に於いてはその限りではないことは明白。なるほど、理解した。否、その深淵なる存在性のただ一端、それだけを理解し得た。

君は、わたしの存在を望んでなどいなかったのだ。物語が生きるには人の存在が不可欠だ。何故なら物語は人に読まれ、伝わり、更なる人に読まれてその存在を永遠に近づける。「人」がいなければ生きることは叶わない。そういう存在だ。

そこで問う、わたしは「人」か? 答えは違う。わたしは人であっても「人」ではないのだ。塵も積もれば山となる────とはよく言ったものだが、結局のところ積もる見込みがあるから意味があるのであって、わたしという人間単体では何の意味もない。わたしが二人になることはあり得ないからだ。仮にわたしとまったく同じ存在がいたとしてもそれはわたしではなく、同じ存在が二人いるだけ。

わたしという存在はあまりに些末であって、それは頂上から見た民衆のようであろう。

「人」が必要とは言うものの、わたしが必要という意味では断じてない。生意気なことを考えちゃいけない。わたしたちは飽く迄物語に縋るだけ、そこに相互性はない。

だから背中を許してもいけない。背後からそっと一突き、匕首は既にその首に突き付けられている。どうしてか物語はわたしの命を狙ってくる。物語は自分の生にそっと寄り添う、優しい存在なんかじゃまったくなくて、寧ろ悪意の塊なんだ。どんなに優しい物語であっても、君の心に何らかの悪意を残すんだ。そしてその悪意は物語に対する依存性以外の何物でもなくて、その果つる想いは破滅だった。

『Scarlett ~スカーレット~』感想とか

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前語り

ぼくは、憧れていた。この柵の向こう側の世界────非日常の世界に。

特に特別な仕掛けなんてない柵、それを超えればすぐにでも非日常の世界に入ることができる。あと一歩、あと一歩だけ、前に踏み出すだけでいいんだ。

でもそれができない。でなければぼくらの言う日常と非日常が、こんなにも隔絶されているわけがない。そんな非日常に憧れて、ぼくは一年に及ぶモラトリアムに浸った。なんの意味もない、文字通りのモラトリアム。しかし、もしそのモラトリアムに意味があったとするならば、きっとこのことなんだろう。ベレッタが欲しいという理由だったけど、その実そこまでの興味はなくて、軽い気持ちで選んだ最後の地。偶然か必然か、しずかと出会った。このぼくに、非日常への切符を渡してくれたしずかに。

しずかと九郎さん。ぼくとは違う、非日常の住人。だからその存在が途方もなく遠く、眩しく見えて、踏み出そうと、思ってしまった。退屈だった日常を変えるような、刺激的な世界を求めて。ぼくは非日常を日常とすることにした。この時、ぼくの手にあったベレッタはようやく「本物」になったんだ。

あの時描いていた憧憬が、今現実のものとして存在している。それは柵の向こう側の出来事でしかなかった世界が、ぼくの日常へと変化した瞬間だった。

それからの日々はなんだか早く過ぎて言ったようにも感じる。楽しかった? ────そう、楽しかったのかもしれない。ずっと憧れていた世界、けれどそれは今や憧れなんかじゃなく、日常であるという事実が、普通は超えることもできない柵の向こう側にいるという事実が、ぼくを否応なしに興奮させる。

でも、やっぱりぼくは日常の住人だったんだ。所詮は住む世界が違う。本当にそうだった。どんなに外見を取り繕おうと、元からそこにいた、なんて事実はどこにもなくて、だから九郎さんは言ったんだ。ベレッタか、しずかか。彼女はまだどこの世界の住人でもない。まだ、彼女は決めていない。だから、まだ間に合う。そしてぼくも、まだ間に合う。まだこの世界を非日常であると認識できているうちに。

その手にある本物を渡して、ぼく自身が日常へと戻れば、すべては元通り。九郎さんなんて人はいなくて、いるのは愛する人、しずかと絵麗奈。ぼくたちはどこにでもいる日常の住人。

けれど、けれども……最後にその姿を見てしまっては、声をかけずにはいられなかった。かつて、憧れからその壁を超えてみた世界。……だが、そこは超えられない壁の向こうにある。たとえ数m先だとしても決して手の届かない場所……。

ぼくはそこに、4年と3か月いた。その間自分は非日常の住人であったと信じて疑わなかった。でも、それでも足りなくて、だからこんなにも綺麗に別れることができたんだ。

今度こそ、決して超えることのできない壁。これから、ぼくらの道が交わることは絶対にない。

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まるで中学校の職業体験のように忘れ去られ、そっけなくされてしまったけど、それはきっとお互いの心の中で生き続けるんだろう。

そんな、いっときの物語。

エレナとイリカとの一連の流れについて

最初は「はいはいw それで?w」的な思いだったんです。話が進むにつれて、あまりに予想通りであることもわかる。なのに、私の急所を的確に、グングニルを模したただの鉄の槍に毒をたっぷり塗ったもので刺された。決め手はイリカがレオンの心に気付いて慰めてくれるシーン。あれで私は陥落した。その時確信した。この作品は私を殺すことができると……。そこからのイリカとの生活もまぁよかった。エレナとのこともあってより一層深みをと緊張感を感じられた。勿論これもだいぶ予想通りの展開だったけど感情の揺れはしっかりと観測できたので、やはりライターの実力を物語ってると言える。

最後にしずかへと繋がり彼女の過去を描いたことも加点ポイント。読者に大きな納得感を与えつつ、感動も与え、さらにしずかへの愛情を深めさせた。完璧ですね。

明人については日常と非日常の境目に焦点が当てられてると感じたけどこちらはストレートに日常の尊さを語っていた。そのうえで再び明人の視点に帰り、境目を彷徨う。よく対比できていたと思う。

全体として

何度も言っているが完成度は非常に高かったと思う。プレイ前からルリのとこが出してるというのと、フォロワーに熱烈なファンがいることから元の期待は高かった。しかしそれをも上回る出来だったと思っている。単純に内容が私に刺さったということ、終始飽きさせない展開、また各所に置かれた単純ながらも破壊力の高い感動。素晴らしかった。

最近涙腺が緩く、簡単に涙を流せてしまうとはいえ、このような感動をもたらしてくれる作品はそう多くはない(最近は涙腺が緩いということに掛かっていて、作品には掛かっていないので注意)。システム面での難、時代特有の暗さ、そういったものがあり、2010年よりも前の作品は少し避けている節がある私だが、やはりいいものだと再認識させられた。まだに作品のみのねこねこソフトであるが、他の作品にも手をつけられたらなと思う。

 

 

 

点数:88/100 文章:6/10 味:旨味を前面に押し出しつつ、ちょうどいい塩加減

ウマ娘が何だかとってもエモーショナルな件

ソシャゲというだけで無差別に嫌っていた頃の自分が懐かしい。そんな頻繁にプレイしているわけではないけど割と継続はしててハマってるっちゃあハマってる。始めたのが3月の7日。ところどころ育成はしてない日はあったけど毎日ログインはした。

フォロワーがプレイしているのを見て面白そうだなーと思って、その時丁度また別のフォロワーに勧められて始めた。とはいえ当初はそこまで何か特別なものを感じていたわけではなく、まぁ普通に面白いなー程度。それが今の気持ちになったのはアニメを見てからだね。1期のときから面白いとは聞いていたんだけどどうにもキャラヴィジュアルやらウマ娘という名称やらで忌避していた部分があった。しかしゲームも初めて、面白いと思っていて、正直そんな感情は皆無になったことでアニメを見ようと思った次第。まぁその気持ちになったときは既に最終話一個前。流石に遅かったかと思いつつも見始めるとあら不思議、「これ面白いじゃん……」。てことで全話見ました。めっちゃ面白いじゃん! それぞれの物語がしっかりと生きてて、観客を楽しませる工夫がなされている。感情移入もしやすく、非常にエモーショナルな内容だった。個人的にライスシャワーのところが好きでね……。あれは良い、実に良い。わたしは頑張っても評価されないんだ……からのやっぱり頑張るよ。それで身を壊すほどの猛特訓の末、見事メジロマックイーンに勝利。結局観客からはブーイングを食らったけど仲間は祝福してくれたよ。

いやぁ、エモーショナル。こんな感じのエピソードがてんこ盛りなので面白くないわけがないっていうね。

まぁそれでね、それからゲーム内のキャラへの見方も少し変わって……あー、これちょっとさくレット後のわたしに似てるかも。わたしはバカで無能だから別の分野で学んだことを他に生かせないんだけど、物語についても同様で、別作品で見つけた普遍性の強い概念でもいちいち見出さないとそんなこと思えないんだよね。

簡潔に説明すると、こうやって物語の一部でしかないキャラクター、そうでなくともその他大勢でしかない人ですらみんなひとりひとり物語を持っているもので、それを思うと勝手に感情移入して感情が荒れ狂うって話ですね。

とはいえそれなりのものを見ないとこんな感情にはならんでしょって、わたしが過去クソゲ! っていた作品に感情移入なんてできる筈もなく、うん、やっぱこれはわたしがバカとか関係ないな。

ともかくだ、感じた。彼女らにそれぞれの物語を。アニメで注目されたキャラの比重が大きいことは事実だけど、それ以外にも結構感じる。その証拠にアニメ見る前はあんま好きはじゃないのは育成全然しなかったんだけど最近はそういうの全然気になんなくなってみんな育成はちゃんとやるようになった。

加えてストーリーとか欠片の興味も湧かなくてその一切をスキップしてたけど……見るようになったね。まぁ結局面倒でスキップは使ってるけど以前なら抑も見るという発想自体なかったからこれは大きな進歩ですよええ。このさ、上質な作品を目にしたとき日常が恐ろしく尊いものに感じるじゃん? その日常を半永久的に見ることができるって、およ、最高では?

ソシャゲもいいな。こんなん2月までのわたしなら考えられない言葉だ。まぁ抑もソシャゲプレイしてもいいかなって最初に思ったのがニーアのやつなんだけどね。まったくやらずに(言葉通り)やめたけどな!

同窓会1

 ぼくはきっと、何かに甘えていたのかもしれない。
 いつの日だったか、君に言ったことがある。高校は違うけど大学では一緒に東大に行こうって。いけると思ってたんだ。だけど──やっぱり甘えていたんだろうな。過去の成功体験に縋って、自身の研鑽を怠ったことはもはや明らか。
 正直言ってぼくは格好悪いよ。東大に行くって大きな声で宣言して内部推薦を蹴ったにもかかわらず、結局一般で受けて付属の大学に通っている。別に今通ってる大学が悪いとか言ってるわけじゃない。寧ろぼくみたいな無能がこんないい大学にかよわせてもらえてることに感謝してるくらいだ。
 だけどそうじゃない。客観的事実が問題なわけじゃない。だからこれは単なるエゴ、ぼく自身のまったく個人的な問題でしかない。
 だってこんな、調子に乗ったようなことを昔のぼくが言ってなければ現在抱えている精神的な問題はあらかた解決するのだから。自分で自分の首を絞めている。単なる虚勢──だとは思っていなかった。いけると思ってた。その思いに偽りはない。だが事実としてぼくは第一志望に落ちた。目標に向かって、適切な努力をすることができなかった。
 怖い。真実を君に打ち明けることが。
 怖い。同級生たちからの嘲笑が。
 怖い。みんなからの同情が。
 ……わかってる。みんなは優しいからこんなこと言わない。それどころかおめでとうって、心の底から祝福してくれると思う。自惚れなんかじゃなく、そう確信してる。だけど、そうじゃない。そうじゃなくて、さっきも言ったけど、これはぼくのエゴなんだ。みんなはこう言うに決まってる、その程度じゃ何も安心できない。
 もし、みんながぼくを祝福してくれる中、一人、たった一人ぼくを嘲笑う人がいたら?
 もし、昔のみんなとは変わってしまっていたら?
 不安の種は尽きない。確認する術は実際に行って確かめるしかない。でもそんなことはしたくない。
 お願いだ、どうすればいい。とにかく怖いんだ。ぼくはバカだよ。でもだからこそみんなよりも優れていたい。どうしようもないエゴの鬼だ。

 

「はぁ……解決策なんてない、いいから来い。みんなあの時のクラスで集まれること楽しみにしてんだ。そこにお前が抜けたらなんの意味もないだろ」
「いやまぁ、そうだけどさ……」
「分かってんなら来いって。さっきも言ったけどお前のそれに解決策はない。ただの我儘。自分で言ってたろ。それにお前だって行きたいんだろ? 今回行かなかったら絶対後悔するってわかってるんだろ?」
 ずきりと刺さる。本当は行きたい。確かに行きたい。みんなと会いたい。行かなかったら絶対に後悔する。そんなことに比べたらぼくの考えていることなんて些事もいいとこ。
 でも、心は一向に動かない。嫌になる。ここまでくると怖いという気持ちよりも今更意見を変えるのも違うという気持ちになっている。
 そうなんだ、行きたいと思えばあの頃の懐かしい記憶が蘇って、本当にぼくの中で些事として処理できる。
「黙るな黙るな。で、どうするんだ。行くのか、行かないのか?」
「……」
 また黙る。
「はぁ……ほんっとうにお前はどうしようもないな。分かった、これで最後だ。当日俺がお前ん家まで迎えに行ってやる。一緒に行こう」
「え、いや……それは……」
「拒否権はない。いいから当日準備しとけよ。俺が友達思いでその友達のことをちゃんと理解しててよかったな。他の奴ならこいつ本当に行きたくないんだって思われるぞ」
「ああ、うん……」
 そのまま去っていく慎司を見守る。すると急に振り返って、
「本当に今回が最後だからな! 次からは絶対に助け舟は出さない。分かったな?!」
 きっとまた助けてくれるんだろうな、そう思わせる態度で言い残した。