思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

『ホグワーツ・レガシー』についてのお話

とりあえず先日ホグワーツレガシー(ホグワーツって打つのめちゃくちゃやりづらくて嫌い)をクリアして,いくつか言いたいことがあったので書きましたってだけの記事です.が,前提としてこのゲームによって受け取ることのできる体験は本当に素晴らしいものだったということを念頭においてほしい.それでは

 

本作,人間周りについてだいぶ気持ち悪い要素が多い.まず翻訳が英語の教科書にあるような訳というか,非常に優秀な英語教師が訳したような,そんな感じの印象を受ける.しかし前者ほどの堅さはなく,イメージとしては後者がより適切ではあると思う.というのも,ただ,意味もなくその例を出したわけではなく,実際に話しているのを見ると気持ち的には英語の教科書を読んでいるような気持ちになる.

とはいうものの,嫌なら英語音声にすればいいとか,そもそも下手ではないのだからいいだろうと言われるような気もする.いやわからんけど.それについてはすこーし言い訳をさせてほしいんですよ.本作,ゲーム内のオプションから言語設定を変更することができないのです.いやね,私も困惑しましたがまぁしゃあないかと割り切って最後までプレイしたんですよ.でも魔礼青に考えて言語設定変更できないわけなくない? と思い調べてみたらホーム画面からできるそうで.うーん,これは私のミスです.本当に申し訳ありませんでした.てなわけで全編日本語でプレイせざるを得ませんでしたという話.......こういうのって今までプレイしたゲームでもあったのかなぁ.というのが言い訳.

また,なまじ上手だからこそ気持ち悪いという点.別に下手なら下手でいいんですよ.下手なこと自体は別に悪い印象はあるとしても先刻の不快感はないので.このなまじ上手という点が重要.あくまで翻訳を専門にしている人ではなく,英語に関して造詣が深いが綺麗な訳文を仕上げたときの文章,といった感じ.これが実際の会話に用いられると,まぁ気持ち悪い.ただここで一つ,問題が浮上して,私は海外産のゲーム及びそれらしい雰囲気のゲームは英語もしくはわかる範囲内で他言語を使用するのでこのような問題点と少しばかり縁遠い.ホグワーツ・レガシーより前,最後に日本語音声でプレイした洋ゲーと言えばGhost of Tsushimaだった.これは少しばかり完成度か高すぎるので本件には不向き.......なんですよ泣 うーん,結局どうなんすかね.

次に主人公の話し方について.なんか知らんけどたまに語気強くするんですよねこの子.もっとも顕著に顕れているのがランロクの信奉者(モブ)と戦った後のコメント.本作,ランロクというまぁ悪の親玉的な存在がいて,それを信奉するゴブリンと敵対するというまぁまぁわかりやすい構図があって(ほかにもゴブリンではない闇の魔法使いと戦ったりするけど一旦置いといて),マップに点在する彼らの拠点をつぶしていくという言ってしまえばオープンワールドらしいシステムがあるのだが,そこでゴブリンを倒したときに一定確率で発する言葉がさっきの.「最後までランロクを信じたままだったね!!」とか,「ランロクのせいだからね!!」とか,めっっちゃくちゃ語気強くして言ってます.皆殺しにしたあとに.正直ゴブリンたちが行ったことに鑑みてもだいぶ怖いです.15,6の青年が,ここまで強く自分たちの正当性を強く主張しようとするその将来がとても怖いです.

そうなんですよ,このゲーム,自陣営についての正当性の主張が妙に強いんですよ.今言ったことを筆頭に,「人間」の正当性に関しては言わずもがな,このゲーム一気持ち悪い点が生き物の捕獲について.これがやばい.なんとですねぇ,動物を捕獲することをまんま捕獲とは言いません.じゃあなんて言うかって? そりゃもう「救出」ですよ.うーんこの.

生き物は密猟者に狙われてかわいそうだからうちらが用意した庭で生活させてあげよう!←わかる

つまり外にいることはかわいそうなことなんだ.だからぼくたちが「救出」してあげないとね!←キモすぎ!!!

人間中心主義もここまで前面に出されると気持ち悪くも恐ろしくもある.

次に顔について.なんか知らんけど顔全体にそばかすかシミか判断のつかないものがある生徒がめちゃくちゃ多い.悪い意味で非常に白人的な肌のキャラクター造形だなぁと.

先の価値観然り,肌然り,ポリコレという言葉は一旦置いとくとしてもなんだかいつかの列強的価値観が作品全体に蔓延してるような作品.うーん,いつも通りかもしれない!www

 

というわけでめちゃくちゃ気持ち悪い作品です.

でもゲームとしては面白いです.面白くないわけがない.あのホグワーツを自分の意志で歩くことができるのだから.箒で空を飛ぶことができるのだから.魔法生物に乗って空を飛ぶことができるのだから.子供のころから夢見ていた,あの魔法を実際に使うことができるのだから.それらは実際に高い完成度でユーザーに提供されているので本当に心から感動した.

また戦闘についても普通に良い.魔法を使うからと言ってアクション性が低いわけではなく,むしろ高い方だと思っていい.ただ魔法という性質上相手は基本的に遠距離から攻撃してくる.そしてこちらには回避と防御の二択で対処することができる.これが地味に混乱した.当然だが防御不可能な攻撃があって,それは回避しなくてはならない.そしてそれはキャラクターの頭上に表示される攻撃が来るという合図のアイコンを見て判断しなければならない.というのも,攻撃は遠距離にいる相手を確認しつつ,防御に関しては自分の頭上を見なければならず,そのうえで防御不可か否かを判断しなければならないので目がとても忙しい.ただこれは別にマイナス要素というわけではなく,単に難易度上昇のスパイスでしかない.先頭に関しては明確に問題が一つある.ロックオンがカスなのである.操作はスティック押し込みでそのスティックを敵の方向に倒せば対象が切り替わる.なんてことはないよくあるロックオン操作.......なのにやりづらい.特に乱戦時,思った通りにロックオンができずに対処を間違えてダメージを食らうなんてことはよくあった.

それと本作の映像はとても素晴らしい.これだけで買った価値はあると言える.のだが,フォトモードがなければなにかしらのエモートもない.当然椅子に座ったり,ベッドに寝たり,オブジェクトに合わせた動きは一切ない.写真に関しては最悪HUD非表示にすればいいのだが,それでも棒立ちはなかなかシュール.

 

といった具合です.最初にも言いましたが,とても良いゲームです.それだけは心から感じています.