※本作の√は4つありますが、私は今回そのうちの一つのみをプレイしました(理由は後述
前語り
タイトル画面の雰囲気は神秘的でありつつも、どこかやさしさを感じさせる。物語前半の雰囲気はやさしさに包まれている。しかし後半に近づくにつれてどこか不穏な雰囲気が漂い始める。けれども、それすらやさしさに包まれていて、やはり私の心を温める。結局、この世界は最後まで優しかった。すべては寄り添い、ワタルとリアを心から祝福する。何処にも悪意というものが存在しない。それは空想上の概念。溢れんばかりの善意で満たされているのだ。
ああ、なんと綺麗な世界であろう。不純物の存在しない、創作上の世界の様ではないか! よく目を凝らして見るがいい。眩しくて見ることができないだろう。さながらファンタジーの世界だ。なればこそ、魔法というものが存在しているのかもしれない。
やさしさとは、善意とは、ファンタジーであって、現実に存在し得るものではない。どうにもしっくりくるではないか。おお、これはいい、いいぞ。故に私はこの作品をファンタジーと呼ぼうではないか! 皆が憧れる世界とはまさにこのことだったのだ!
我々が再三問うてきた疑問は今まさにここで解決したぞ! この世界は、きっと悪意でできていたんだ。
存外に、面白かったです
ふわっとした日常要素が強めなのかなと読み進めていたらあらびっくり。それはラストへの布石でしかなかった。おそらくは日常の大切さを説き、そのうえで別れを演出することが本作の最も大きな目的であろう。単純かつ雑な部分は多々見受けられたが、いざクリアして振り返ってみれば、なかなか良い作品だったなと、そう思える内容であった。
この物語の根幹は日常、その一点に尽きる。ひたすらに普通の日常を送り、別れまでの時間を大事に過ごす。それが尊いとか、もっと大事にすればよかったとか、そんなことを言うのではない。ただ大切に過ごした毎日が、そのまま大切な記憶となり、とこしえを紡ぐのだ。それは100年経とうと忘れることのない、お守りのようなもの。何も持っていくことのできない海底で、ただ一人メルクリアは記憶を胸に沈んでいく。
なんともキサラギGOLD☆STARの沙弥√を思い出させる展開だ。だからこそ比べたくなるが、実際展開だけならメルクリアのほうが面白いと思う。過程についてはキサラギのほうが面白かったが。テキスト自体はそんなに長くはないものの、時間の経過を感じさせる工夫は感じられた。キサラギの沙弥√と言えば、壮大な別れを演出したくせに一瞬で帰ってきたことが真っ先に思い出される。
号泣って程でもないが、まぁ少しウルっとはきた。
テンプレートとテンプレート
キャラをテンプレートで固めすぎて逆に個性ある。そんなレヴェル。なおここでのテンプレートは悪いものとする。
第一に、日未子というキャラがいるが、こいつがまぁ酷い。対して育ちがよさそうでもないのにわよましょ語尾。勘違いも甚だしいカス女。いちいちうるさい。存在自体が不快。
第二にエルナ。勘違いで縛り上げた相手にごめーんで済ませるカス。ついでに痴漢魔。
この二人が聳え立つカス。他も嫌にテンプレートが揃ってるがここまで不快なことはなかったのでよしとする。(清修(友人キャラ)はいいキャラしてた)。
最初のリア√以外入りたくなかったというのはこれが原因です。
は?
リアが生贄になります。そんなの絶対嫌だ! byママ
せや、儀式の間に閉じこもって入れなくしたろ!←まぁ親だもんな
リアが泣いてる。悲しいですね。
~翌朝~
リアが泣いててかわいそうなので部屋から出ます。リア、生贄頑張ってね。←は???
一日も経たないうちに部屋から出て、直前ご飯を食べないことがあれだけ強調されてたのに特にこれといった症状もなく。何事もなく部屋から出てきました。
ママは何がしたかったの……?
こんな感じで一部展開が甘くてただの笑い話になってしまったような場面が3,4個あった。
最後に
えっと、退屈と感じる場面は多々あったけど楽しめたことには楽しめた。リア√しかプレイしてないけどそれなりにプレイ時間も多かったし。何より世界観が綺麗。
ヴェネツィア×魔法という最高の組み合わせ。通常背景も勿論いいんだけど、花が散ってるのが特にいいのでね。
因みに結構頭わるそうだな~と思う表現いくつかあったのでそれはうん。
イエス=キリストって神様知ってる? 的な言葉があった。
キリストは神様じゃないよ。仮にライターがコプト派だったとしても世間的に正統派ではないことはわかっている筈なのでそれを明記すべき。
この言い方、性格悪いってことはわかってるけど、どうにも地の分から頭の悪さを感じた。
…………面白かったですよ!?
点数:66/100 文章:4/10 味:とても甘い