まぁAXLだったな。うん。なんというか、全体として普通に? 結構? 面白かった。程よくギャグとツッコミを混ぜ、適度に話を進め、飽きさせないような構造になっていた部分は非常に高く評価できる。
でも、なんだろう。何か、何か足りない。それを顕著に感じたのは個別ルートが二つ終わったころだった。どうにも面倒だな、これで終わりにしていいかな、そんな気持ちになってしまった。無論本作の個別ルートが面白くなかったのかと聞かれればそんなことはないと答える。前述の通り適度な緩急をつけ飽きさせない構造であったし、根底に存在する共通の問題はあれど、基本的にシナリオはそれぞれ方向性が違う。
にもかかわらず「飽き」を感じてしまった。多分、エロゲ及びノヴェルゲームでありがちな「いちいち関係性をやり直す」ことへの厭いがあったのだと思われる。何故か本作ではその気持ちが強調された。その理由については本当によくわからない。だが何度も言う通り面白くなかったわけではない。寧ろ結構面白かった。それだけは勘違いしないでほしい。
あとAXLと言ったらこの絵。可愛いとも微妙とも取れる謎の絵。パッと見かなり違和感感じるのに進めるうちに可愛いと思えてしまう。しかしながらえっちシーンが微妙であることも変わらず(ほかの人が同じように思ってるかは不明だが)。「この子のあられもない姿を見たい」という感情は単なるえっちな気持ちを抜いてもある程度魅力のあるキャラならば感じる筈だが、本作は文章にも絵にもえっちに関してさほどの魅力を感じることができなかった(まぁ結局そこらへんは過去作と同じなのでご愛敬と言ったところ)。
全体的にまったく悪くないどころか寧ろ良いとすら思っているけど何かが足りない。そんな印象を抱いた。とはいえ(500円でなくとも)買って損する作品ではないので十分におすすめできる良作だった。
点数:60/100 文章:5・10 味:旨味多め、特殊な味はなし