思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

『フタマタ恋愛』感想

 

全体

ということでフタマタ恋愛です。

前作の恋愛ロワイアルに引き続き割としっかりした恋愛模様がありつつ、ずっと笑えるようなの期待してるぞ^~…………はい。

思ってたのと違った!! 正直過去作に比べてASaに求めてるギャグ要素が数%くらいしかなかった。おっとこれは雲行き怪しいか? なんてもの束の間、シナリオの本筋が以前にもましてめちゃくちゃ面白い。それにかなり減ったとはいえおふざけ展開もしっかり挟んでいく。まぁ、前作のようなずっとケラケラ笑えるようなギャグというよりニコニコが絶えないようなものだった。

これがASaに求められている作品なのかと問われれば少なくとも私は違うんじゃないかなぁと思いはする。事実として本作を悪かったと言う人は一定数見かけた。悲しいけれど、ASa、及びHOOK系列メーカーの作品はその安定性が売りだろうから、異色作というのは他社よりもいっそう嫌われるのだと思う。

とりわけASaは軽さというものが売りの一つであるのは疑いようがない。しかしながら本作ではその「軽さ」をテーマの一つとした割と重めの人間関係を構築していた。作品内では問題の大きさと比べて明らかに軽く受け止められていたが、その軽く受け止めた事情こそが一部の読み手にとっては重く映ることだろう。

全体として、ギャグの割合が減って全体のシナリオそのものへの言及が増えたため、過去作と作品としての性質が異なっている。私はかなり好きで、とても良い作品だと思うが、需要と供給の不一致による低評価は一定数あることだろう。

キャラクター

そうは言ってもASa、また八日なのか氏。キャラクターを引き立てに文句はなかった。中でも特に好きなのが、宮子……と結愛。……すまねぇ、二股しちゃったよ……。発売前からしつこく海野宮子は”来る”……今年のえっちげーむヒロインランキング3位以内は確実……なんて言ってきたけど、まぁ実際めちゃくちゃ可愛かったし、プレイしてもっと好きになった。由奈ちゃんに続き、八日なのか氏の昔の女シリーズが刺さりに刺さる。

少し頬を赤らめて、にやける君の顔が、たまらなく愛おしい。そんな瞳で見つめられたら、脳が蕩けてしまうよ。

こんなの、宮子以外に選べるわけ……選びそう!

このまじでTHE大学生って感じのアホムーヴかます結愛と仲良く同じムーヴする主人公があまりに好きで。そんでもってクソめんどくさそうなクソ女さん、あまりに私好みなんだわ。ずっと求めてきた、友人同士のような恋人関係の極致に、ここで見えた。で、アホみたいな声の「ほなまた~」が耳に良すぎていずれガンに効く。やっぱ大学生は頭空っぽにしてクソアホバカップルやんのが正解よ。純愛は高校生にさせとこう。

とまぁこの二人がびっくりするほど好きで笑ってしまった。一作品で二人も好き好き大好きなヒロイン出ることなんてそうそうないよ。この作品を生み出してくれた八日なのか氏に最大級の感謝を。

とはいえ他のキャラも忘れず。上記二人がずば抜けてたってだけで、前述の通り登場キャラは全員良かった。

守護りたい、この笑顔。しかし守護られたい、ルイルイに。

その他雑感

シナリオ全体が本当に好みだった。例えば過去編の宮子とセッ……しに家来たら二人の親同士で浮気してたってとこ。親の浮気見て興奮してんだ……なんて言ってたところの背徳感。とても好き。

あと水中でキスするシーン、エモいとか使った時点でキモすぎ近寄るな系統の言葉だけどそのCG見た瞬間「エッッッッモ!」って叫びそうになったわ。

やっぱりこの作品はうちに秘める思い的なもの、それを強く感じるから好き。軽い恋愛がいい、今のままがいい、好きじゃない、一緒にいたい、それでも至って軽く、愛を囁くし、その愛は届いた。なんだかとっても、ロマンティックじゃない?

 

 

点数:78/100 文章:6/10 味:旨味、苦味