PS4でVR専用ゲームとして発売されているゴキ‘s room。初めは濃厚なくそげ臭がした。値段は880円だった。正直期待はこれっぽっちもしてなかった。でも、いざ蓋を開いてみるとどうだろう。芳しく香るくそげの匂いが辺り一帯を包み込んだ。結論から言ってしまえばこのゲームにわざわざお金を払う価値はない。しかし買ったからと言って、絶対に損をするということもない。それは偏にこのゲームが単なるくそげではないことを示している。
ところで、くそげとは一体どのようなものを指すのだろう。バランスが取れていないものか、システムに重大な欠陥を抱えているものか、それとも単純につまらないと感じたものだろうか。それらは全て正しい。バランス、避けることが不可能なレベルの攻撃を受け、なす術なくゲームオーバーになれば楽しむことはできない。システム、バグばかりあってはまともにゲームをプレイすることすらままならないだろう。面白さ、心を揺さぶる何かがなければ、やはりゲームを進めたいという意欲には繋がらないだろう。
ではこのゲームはどうか。バランスは、まずそういうゲームではない。バグは、特になかった。では面白さは、正直心は揺さぶられっぱなしだった。何せ尋常ではない量のゴキブリが目の前に迫ってくるのだ。平常心でいろというのが無理な話だ。つまるところ、このゲームはくそげと言えないという可能性が浮上した。
くそげではないというなら面白いのか?否、さして面白くもない。初めに言った通り、このゲームはくそげであるし、わざわざお金を払う価値もない。ならばこのゲームの悪いところを挙げてみよう。1つ目は、このゲームがコントローラーを使わないがために発生している仕方のないこと言えば仕方のないことなのだが、調べるというアクションをするとき調べたいものに視線を合わせることで調べることができる。この時ロード画面などで現れるような円が出てくる。これがどうも雰囲気を壊しているような気がしてならない。
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これだけである。このゲーム、悪い部分が指摘しづらい。
では逆にいい部分は何か、それはゴキブリのリアリティが巧く表現できていたことだろう。
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これだけである。このゲーム、良い部分も指摘しづらい。
それをわたしは何故くそげと断言したのか。
わたしはこのゲームを楽しむことはできなかった。何故なら虫が嫌いだからだ。
わたしはこのゲームを買って後悔はしていない。何故なら少し“面白い”と思ってしまったからだ。
改めて問う。くそげとはなんだ?それはわたしが決めることで、あなたが決めることだ。
バランスもシステムも面白さも、全て問題はなかった。何もかも、主観的でしかないのだ。故に、真の評価を知りたいとあなたが願うのなら、どうぞゴキ‘s roomを購入なさってはどうか。
P.S.くそげです。