思考溜り

思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

アイカツアカデミーの行く先は

今回はアイカツのお話をします。

アイカツって,どんな作品でしょう。それはアイカツスターズ後期のオープニングテーマであるSTARDOMとMusic of Dreamの歌詞に大体すべてあります。多分。あると仮定して話を進めます。というのも,わたくしちゃんと完走したシリーズがスターズしかないためです。なので今回書くことは割と推測の領域が多いです。てかだいたいそうです。

で,先のお話に戻るんですが,アイカツのテーマ,STARDOMの

憧れは次の憧れを生む

わたしはここだよ

震えるような高みへと

夢は 夢を 超えていく

と,Music of Dreamの

まだ見ぬわたしのことを

信じてくれる人

あなたに届けたい

音楽を奏でよう

差し出された手のひらに

雲一つない空に

ひたむきな強さで

輝きを渡そう

勇気よ星になれ

です。この二つがアイカツの本質です。これを踏まえたうえで,私はアイカツというシリーズを本質的に同じことをやり続ける作品なのだと考えました。先にも引用した通り,憧れは次の憧れを生むものであり,それを伝え続けること,多角的に多くの視点から同じことを伝え続けること,それをアイカツというシリーズの本質として理解しました。とはいえ,とはいえです,本当に同じことを主張し続けても面白くないでしょう。結論は同じでも,そこに至る過程が違えば本論の補強にもつながる。そこで見つけたのがアイカツアカデミー! ……とアイカツプラネット。表面的な情報だけを知ったとき感動さえ覚えました。アイカツという憧れの循環はこの場所まで手を伸ばしてくれるのだと。私自身VTuberに対してあまりよくない気持ちを抱いていますし,なによりこのVTuberである意味を探していると,うんざりするような気持ちが否定できないのが現状です。そんな中でアイドルの根源的本質とも言える思想を堅実に固めた作品であるアイカツの名を冠したアイカツアカデミーというプロジェクト,期待するなという方が無理な話です。はい。期待するなと言われていたんでしょうか。VTuberと発表された時点で。

ただ,私のデミカツへの失望を知るには,まず「アイカツ」という概念的地位の話をしなければなりません。アイカツとは何かと問われ,本文読者の方は何を思い浮かべるでしょう。正直なところそう多くはないと思います。アイカツというアニメシリーズの名前,そんなところかと。当然正解です。それ以外の何物でもありません。ではアイカツという名前の概念的地位は? 雑に言えば,言葉としてどれほど偉いのか。答えは単純,めっちゃ偉いです。何故かと言ったら「アイカツ」は「世界」の名前だからです。極端な話,(例示としてまったくおかしなことではないですが)私たちが存在するこの世界,これを概念的にとらえてこれより上位の概念は? と問うようなものです。というか実際そうです。

ではこれを踏まえて,この世界性を維持する方法について考えます。これについては少しむずかしいところがあるので慎重に言葉を選びますが,まず「外」との接触を避ける。もしくは「外」であることを明確にする。これにつきます。ではデミカツはどうでしょう。

ゲーム実況!!

他事務所とのコラボ!!

従来のVTuberと変わらんん!!!!!!!

概念的に決して対等ではない存在と「『外』であることを明確に」せずに関わるというのは世界性の急激な低下につながると思いますよ。事実として私は現在デミカツをただのVTuber事務所と見ているところが多分に存在します(まぁ,まだ期待を捨てきれずにいるところもありますが,手遅れ)。デミカツの3人,今となっては4人,彼女らの「アイドル」としての活動を本当に楽しみにしていたのですが,どうやら運営は普通にアイカツの名を冠しただけのVTuberをやりたかったみたいです。

ただ,もしかすると私が過去作を知らないだけかと思い,同じような視点で注目していたアイカツプラネットを見ました。途中まで。まだ見てる最中です。ごめんね。ただこの記事を書き始めたのは自分の感想が明確化したためということもあり,恐らく意見が変わることは終盤に超展開でもない限りないと思います。それでアイカツプラネットですが,これも最初は,2次元と3次元の接続的なお話を期待していたんです。すごく楽しみでした。すごくがっかりしました。なぜならアイカツプラネットという作品におけるドラマパートとアニメパート,これらをどう活用するのかと思ったらただ作品内にドラマとアニメが存在していただけなんです。一体なんの意味が……? 先にも述べた通り,アイカツという作品自体同じことの繰り返しでも作品として十分成り立ちます。成り立ちますが,それはそうと面白い設定入れられたらそれに期待するでしょ。仮に初代アイカツやその他アニメシリーズでのアイカツと同じように,ただ別の場所で,というような形であれば何も新しい要素がなくても何も言いません。でも,これは違いますって……根本的な作品としての在り方をいじってきたんだからそれに期待せざるを得ませんって。ただ同時に思いましたね,ああ,アイカツプラネットでもこんな感じなら,アイカツアカデミーでも本当に私が考えていたようなことはなかったんだなと。

アイカツアカデミー,およびアイカツというコンテンツ全体,正直右肩下がりになる気しかしませんが,私はアイカツが好きになってしまったのでこれからも追いかけます。嫌い嫌い言いながら。なんて歪なんでしょうね。本当に自分でもよくわからないですけど,たぶんまだアイカツが与えてくれる輝きや勇気というものを信じているんだと思います。