思考溜り

思考溜り

その名の通り、ここには思考が溜る。どんなに崇高でも、下賤でも、わたしの思考の全てはここに溜る。

わんだふるぷりきゅあ! ざ・むーーーびーーーーーー!!

見てきました。想定外の面白さで正直かなりびっくりしてます。というのも脚本家の方、過去作にアイカツとあったので、面白いものは作ってきてくれるとは思っていたものの、成田作品の映画として見たら、ということを考慮するとなかなか期待しきれないものがあったためです。ところがどっこい、とても面白く、かつ成田文脈的にわんだふるな作品でした。

 

わんぷり本編において、過去作でも何度も主張されてきた成田的全体性とも言うべき思想と、それを受け継ぐキュアワンダフル、キュアフレンディらの思想を、本作、わんぷり映画ではあり得たかもしれないうちの一つ、弱点を指摘していた。……というのは半分嘘である。本作において行われた行動はゲームの世界へ閉じ込められる、いろはandまゆが囚われの身となり、こむぎandユキがそれを助けるといった構図。この過程にて、ある一つの誘惑が提示された。それが「このゲームの世界でずっと一緒にいればいい」というものである。これは作品によっては非常に甘美な誘惑である。好きな人と、誰にも邪魔されずにずっと一緒に、それが夢でなくてなんと言おうか。しかしながらわんぷりにおいてそれは否定しなければならない。なぜならキュアワンダフルが変身のたびに言っている言葉、「みんな大好き素敵な世界」を否定することに他ならないからである。わんだふるな世界には、みんなが必要なのだ。その点、本作ではこむぎがその言葉に靡くことはなかった。というより、言及すらされなかった。これが先述の嘘であるの意味なのだが、一方で私がこの点を良いと感じ他理由としては一切の言及がなかったからであるため、なんとも言い難い。

ともあれ、ゲームの世界にとどまるという選択を少しの逡巡も見せずにいろはたちと一緒にこの世界を出ると言ったこむぎはやはり素晴らしい。

その他言葉の端々に「わんだふる」を意識させる言葉が散りばめられており、事前に考えていた評価を改めざるを得ないこと必至であった。深く言及はされなかったが、言外の言葉、言葉に依らない言葉、そういった概念にも触れられており、わんぷり本編にて強いて言えばと、テーマ的な脆弱性を考えたときにこれらは浮かんだ概念であるため、ここだけでなく、わんぷり本編でも深く言及されることがあれば本作への評価含め、わんだふるぷりきゅあへの評価は私にとって非常に高いものとなる。

次!! こむぎがバグの世界に落ちてしまったところ、やってることだけで言えばそこまで強いわけでもないのだが、わんだふるぷりきゅあ! evolution‼︎ が流れるタイミングがあまりにも完璧すぎた。で、流れるタイミング然り、それ以上にその時点で流れ始めた歌詞が本当に秀逸。

つながる世界で ココロ はしゃぐ わんだふる! なかよしパワーは 無限大

からだった(と思う。ちょっとうろ覚え)。

一緒にいるどころか、断絶された世界に取り残されてしまったこむぎが、今まさにいろはたちのところへ戻ろうとしているときにこのパートをかける粋さ。正直な気持ちを言うとここでかなり泣いてしまった。

次!! ソラちゃんの救援!!!

すき!!!!!! ありがとう!!!!!

ひろプリ組とまほプリ組のみんなが駆けつけたときはさすがにもう感情が抑えられなかった。テーマ的な面白さと展開的な面白さに加えて、こういったファンサーヴィスでも抜からない。本作、隙は探さないと見つからないようにも思う。それほどに、良かったと、今この文章を書いているときでも強く考える。

さて、全体として非常に完成度の高い作品であった。テーマ的なところに関してはこちらからのアプローチが多少強かったものの、成田作品においてこのようなテーマを感じられる作品であったことは、脚本家が考えていたにしろ考えていなかったにしろ、高く評価したいと考えている。

また、先述の通り展開としても面白く、また飽きてしまうようなこともなかった。それでいてファンサーヴィスも忘れず、それらも非常によくできていた。

わんだふるぷりきゅあの映画として、とても満足度の高い作品であった。